個人が開業を計画する前に考えたい、ショップづくりで大切なこと(5)


6.目的と環境分析

 

靴屋さんの目的と環境

さらに靴屋さんの例を使い、目的と環境分析の関係を考えます。

図表を参考にします。

 

A社は何のためにアフリカ進出を考えたのでしょうか。

少し目的が不明確な感じもします。

現在のビジネスにゆとりがあり、利益が確保できるなら、

アフリカ進出はやめた方がいいかもしれません。

 

さらに新市場開拓が必要だとしても、

仮に高級品を提供するのが企業の目的と考えているとしたら、

進出先は別の国を選択するべきでしょう。

 

SWOT分析は企業の目的を達成できる機会をさがすことが重要です。

A社が高級品の提供を目的とするなら、

富裕層の増加している国に機会を求める方がいいかもしれません。

 

またSWOT分析は、企業の目的を達成できる強みを探すことが重要になります。

もし高級品の提供を目的とするなら、

強みとするのは高級品をつくる技術やブランド力です。

 

B社は何のためにアフリカ進出を考えたのでしょうか。

B社は業績がよくありません。

新市場を開拓する必要があります。

 

低価格の靴を提供し売上落ち込みを新市場でカバーする、

このような目的目標に対し、

靴を履いたことのない経済開発途上の国への進出は機会になるでしょう。

さらに、低価格の商品をつくる生産力や海外工場を管理する経験は強みになりそうです。


 

目的と機会と強みの関係をつくる

環境分析に目的目標が先立つことは、

先に「ショップ計画の流れ」で述べました。

 

加えて上記の靴会社A社B社の例で、

目的目標が明確なことが環境分析を進める上で重要であることが分かると思います。

目的目標が明確でないと、機会も強みも明確になりません。

 

環境分析は、図表6のように、目的を明確にした上で、次の作業が必要です。

目的を達成できる機会を外部環境から見つける

目的を達成できる強みを内部環境から見つける

外部環境の機会を活かす強みを内部環境から見つける

内部環境の強みを活かす機会を外部環境から見つける

 

目的、機会、強みのどの探求からスタートしてもいいのですが、

目的と機会と強みがしかりとした関連性で結びつく必要があります。

つづく