個人が開業を計画する前に考えたい、ショップづくりで大切なこと(7)


8.Zさんのショップ計画を見なおす

 

SWOTでの再整理

ここまで環境分析の考え方を見てきました。

最後にZさんの計画をもう一度考えたいと思います。

図表8を見てください。

 

目的は、気軽に仲間がワイワイできる立ち飲み屋です。

機会は、近くに大学がオープンしたこと、

そのために大学生が増加したこと、と一応考えました。

 

しかし、仲間と楽しめる目的の立ち飲み屋は、

お客さんが大学生で適切でしょうか。少し疑問が残ります。

 

では強みは何でしょうか。ホッピー、餃子は強みになるでしょうか。

大学生は餃子が好きでしょうか。

さらに大学生の経済状況に適した価格で餃子が出せるのでしょうか。

またホッピーで競合店に対する競争力はあるのでしょうか。

 

目的ももっと深く考える必要がありそうです。

Zさんの目的は、Zさん本人が仲間と飲んで楽しいことと、

お客さんが集まる店との整理がついていない気がします。

 

そこで図表8では、強みをZさんの情報力と置いてみました。

Zさんの情報力を使い、飲み屋での大学生の様子など、

丁寧に環境を見直します。

 

そこから目的を達成できる機会と強みの発見に至るはずです。

さらには目的の整理や深化も進むはずです。

その時、機会の探求によってはお客さんは大学生でなくなるかもしれません。

強みの探求によっては提供する商品やサービスも変わるかもしれません。

いずれにしても自信をもってオープンできるショップ計画になっているはずです。

 

環境分析の創造性

Zさんの例は、品揃えなどの目に見える強みの奥にある情報力に焦点を当ててみました。

環境分析は正しい答えが一つとは限らないと思います。

分析によって様々な方向に進む可能性が開けます。

そのように考えると環境分析は創造的な作業です。

これを機会に環境分析の創造性に興味を持っていただければ幸いです。


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